第21回参議院議員通常選挙記念。萌える参院選!投票に行こう!〜ツンデレ選挙編〜


僕、安倍晋三郎は無名の新人ながら、第21回参議院議員通常選挙に立候補する事にした。
その事を幼馴染みの小池百合に話したら。
「はぁ〜?アンタが出馬?無理に決まってるじゃないの。
そんなの時間と金と投票用紙のムダ使いになるだけよ」
とボロクソに言われた。
僕だって伊達や酔狂で出馬するんじゃない。僕のこの手で美しい国を作りたいんだ!


そして今日2007年7月29日、いよいよ投票日を迎えた。
選挙事務所に入ってきた情報によれば、投票終了4時間前の16:00現在、ライバルの候補者とほぼ五分五分の
得票数で1位を争っている状況らしい。
僕の選挙区は一人区の地域だから、ライバルが当選するか、僕が当選かのどちらかに絞られている
と見ていいが、どちらに軍配が上がるかは本当に微妙な所のようだ。


僕と選挙事務所の連中がハラハラしながら、経過を見守っているとそこに百合がやってきた。
「百合、どうしたんだいこんなところで」
「何って投票に行ってきた帰りよ、あんたの選挙事務所丁度帰り道にあるし。」
「で、百合は誰に入れたのさ。」
「アンタよ」
「え?」
「聞こえなかったの?アンタに入れてやったって言ったのよ!」
「でも百合、僕が出馬するって言った時は、散々ボロクソに言ってたじゃないか。
ひょっとして僕の事見直してくれた?」
「な、何勘違いしてんのよ!他にいい候補者がいなかったから、
仕方なくアンタに投票しただけなんだからね!
あたし帰ってしなきゃいけない事あるし、帰るわ」
そう吐き捨て百合はそそくさと去っていった。


午後8時、ついに投票時間が終了し各局で選挙特番が始まった。
他の選挙区では早くも当確が出まくっているが、僕の選挙区ではやはり接戦になっているらしく、
中々当確が出る気配がない。
そして日付も変わろうかというその時。
「当確です!安倍晋三郎さん、当確が出ました!」
ついに待ちに待った当確情報が入ってきた。
「バンザーイ、バンザーイ!」
事務所の中に歓声が響き渡った。
「さあ、晋三郎さん。達磨に目を。」
と、事務員の勧めで僕が達磨に目を入れようとした、正にその時。
事務所のドアが勢いよく開いた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
(・・・百合?)
そこには汗びっしょりで、息を切らしている百合の姿があった。
「ハァ、・・・ハァ・・・今テレビで当確って見て・・・
そ、その当選・・・おめでとう・・・これあげるわ。」
と言うと百合はソフトボールが2個くっ付いた様な、人形みたいなものを差し出した。
(これは・・・ダルマ? さっき目をいれたばかりらしく、墨がかわいてないな・・・と
言うかコレひょっとして手作り??)



《あたし帰ってしなきゃいけない事あるし、帰るわ》



僕の頭の中に、さっき百合が事務所から帰る時に残していった台詞が思い浮かんだ。
「百合・・・ありがとう。僕が当選できたのは百合の1票のおかげだ。」
「あ、あたしが応援してあげたんだから、当然でしょ。
ってあんた、当選したからって図に乗るんじゃないわよ!
ちゃんとマニフェスト守らないと許さないんだから!バカ!」




僕の美しい日本作りはまだ始まったばかりだ。




※この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、選挙結果等とは一切関係ありません。




実際こんな選挙だったら日本\(^o^)/オワタ